【ナス】初心者プランター家庭菜園 実践記
家庭菜園の初心者が、ナスをプランターで育てる実践記です。
初めてのナス栽培は、カネコ種苗株式会社さんの「超やわらかナス」の苗からにしてみました。
超やわらかナスの苗は、自根苗と、接木苗があったのですが、病気に強い、ということで、今回は、接木苗を選びました。
接木苗と自根苗については、以下で、その違いを説明しています。
ナスのプランターでの育て方
ナスはナス科ナス属の一年草で、その原産地は、インド東部とされています。
果菜類の中では、比較的、高温多湿を好む植物で、育てるにあたっては、以下の特徴を頭に入れておいた方が良さそうです。
- 生育の適温は22度〜30度
- 17度以下の寒さは苦手
- 暑さは32度を超えたら注意(着果障害が出る)
- 日当たりが良い場所を好む(光が足りないと落花する)
- 乾燥に弱く、適度な水分を好む
ナスのプランターの大きさ(サイズ)
ナスは、細い根が多いながらも、深くまで伸びるため、プランターで植える場合には、深さが30cm以上あるタイプを選ぶのが基本。
大きさとしては、横幅60cm、奥行25cm、深さ30cm、容量30Lの長方形型プランターで、ナスを2株植えられるくらいのサイズ感が一般的です。
私の場合は、ナス作りが初めてでもあるので、直径30cm、深さ38cm、容量15Lの丸型プランターに、ナスを1株植えることにしました。
ナスは、圧倒的に水分の多い野菜で、育てる時も、水分を欠かさない方がいいようなので、こちらで、詳しく説明している底面給水型のプランターを選びました。
ナスの水やりの頻度は?
ナスは、乾燥に弱い野菜なので、土が乾ききる前に水やりのするのが基本です。
プランターの水がすぐ乾いてしまう暑い夏場では、水やりは、毎日でもいいかもしれません。
ただし、植えてから、最初の果実を収穫するまでは、水を少なめにすると、水を探して、根が深くまで伸びます。
この間の水やりの頻度は、しおれが見え始めたら、株元に水をたっぷりあたえる…というぐらいの間隔になります。
ナスは、基本的に、葉っぱが大きく、水分の蒸発量も多いので、最初の実を収穫してからは、水涸れをおこさないように、こまめに水やりをします。
葉っぱに水をかける「葉水」も好む植物なので、水やりの際、ナスの葉っぱに水をかけても大丈夫です。
その時、一緒に、葉っぱの裏にも、水をかけてやると、ハダニやアブラムシの予防になります。
ナスの肥料タイミング
プランターでのナス栽培の場合は、水やりをすると、元肥として入れていた肥料分が流れ出てしまうので、随時、追肥をします。
ナスの肥料タイミングの目安は以下の通り。
- 化成肥料なら、2週間に1回(土1Lあたり1グラム)
- 液体肥料なら、1週間に1回(500倍に薄めた液肥)
ただし、まだ、最初のナスの実(一番果)がならない段階で、肥料を与え過ぎてしまうと、葉や茎ばかりが成長し過ぎたり、花や芽が落ちてしまったりする場合があります。
なので、生育の初期の段階では、目安よりも、肥料を少なめにしておいた方が良さそうです。
ナスの場合、栄養不足に陥っているかどうか、肥料が足りているかどうかは、花の状態を見て確認することが出来ます。
ナスが肥料不足かどうかを確認する方法
紫のナスの花の真ん中あたりを見て下さい。
黄色の部分が、中に花粉が入っていて、袋状になっているナスの花の雄しべの葯(やく)です。
真ん中に見えているのが、ナスの花の雌しべの一部で、白い部分が花柱(かちゅう)、先端の緑の部分が花頭(かとう)と呼ばれています。
ナスの栄養状態を見るには、この2つの長さを比べます。
長花柱花(ちょうかちゅうか)
写真のように、雌しべの方が長くなっている時は、花柱の方が長いので、長花柱花(ちょうかちゅうか)と言われています。
生育環境も良く、栄養も足りている状態なら、通常は、長花柱花になります。
短花柱花(たんかちゅうか)
逆に、真ん中の雌しべの部分が、周りの雄しべの部分より、短くなってしまっている場合を、短花柱花(たんかちゅうか)と言います。
ナスの花は、通常、下に向いているので、雌しべの方が長ければ、雄しべから出た花粉が、自然に雌しべについて受粉できます。
しかし、短花柱花の状態だと、受粉ができないので、ついには、花が落ちてしまうことになります。
肥料不足で、栄養が足りていない場合は、この短花柱花になります。
ただし、肥料不足だけじゃなく、根が傷んで、栄養不足になっている場合も、短花柱花になります。
そのほか、日照不足や、寒すぎたり(気温が15度以下)、暑すぎたり(30度超えが何日も続く)する場合も、短花柱花になるので、肥料以外のその他の生育環境とも合わせて考えてやる必要があります。
ナス栽培 実践記
プランターでのナス栽培で、実際にやったことや、考えたことなど、日々の作業の記録です。
ナスの3本仕立て
ナス栽培の場合、主茎のほかに、わき芽を2本、あるいは、3本伸ばして栽培することが多いようです。
- 主茎のほかに、わき芽を2本伸ばす栽培方法は「3本仕立て」
- 主茎のほかに、わき芽を3本伸ばす栽培方法は「4本仕立て」
と言われています。
今回は、「ナスの3本仕立て」に挑戦しようと思っています。
ナスの3本仕立ての場合は、一番花のすぐ下のわき芽と、その下のわき芽を伸ばしていくことになります。
ちょっとわかりにくいですが、写真で言うと、以下の位置のわき芽です。
3本仕立ての場合、この2本のわき芽だけ残して、そこから下のわき芽は、すべてかき取ります。
ナスのわき芽かき
3本仕立てで伸ばしていくわき芽の下の部分から出ているわき芽たちも、だいぶ、伸びて来たので、わき芽かきをしました。
小さめの下葉や、接木苗の台木からもわき芽が出ていたので、それも取って、だいぶすっきりしました。
ナスの葉の虫食い被害
ナスの苗を植えて15日くらい経った頃から、徐々に、葉っぱの虫食い被害が目立ち始めました。
なんの虫に、葉っぱを食われてるのか、わからなかったんですけど、ある日、葉っぱの上に、この害虫を見つけました。
どうやらテントウムシダマシのようです。
とは言え、テントウムシダマシの場合は、ナスの葉っぱの表面だけ食べて、葉っぱ全体が茶色くなって、ボロボロになることが多いんだとのこと。
うちの家庭菜園のナスの葉っぱの虫食いは、穴があいてるので、テントウムシダマシではないかもしれません。
さて、その後も、ナスの葉っぱのまわりの観察を続けていたところ、雨が降った次の日などは、テカテカとしたナメクジが這った跡がありました。
ナスの葉に穴をあけていた犯人は、ナメクジかもしれません。
ナスの実もナメクジに食われる
ナスの苗を植えて1ヶ月になろうかという頃、ようやく、最初のナスの実が出来てきていたんですが、そのタイミングで、今度はナスの実が、虫に食われました。
雨が降ったあとで、粘液っぽいものがついていたので、どうやら、また、ナメクジが食べたようです。
一番果なので取り除くことにする
最初につけるナスの実は、一番果と言われています。
ナスの一番果は、樹勢が強い場合は、残しておいた方が、収量が上がるのですが、樹勢が弱い場合は、取ってしまって、苗の成長を促したほうがいい…というのが定説のようです。
うちのナスの場合も、そんなに樹勢が強いわけでもないし、そもそも、ナメクジに食われてしまったので、一番果は取り除くことにしました。
ナスの初収穫
そんなわけで、ナスの一番果は、収穫できなかったんですけど、約20日後に、二番果を収穫できました。
ナスの苗を植えてから、50日目くらいです。
通常、ナスの苗を植えてから収穫までは、20日〜25日程度と言われているので、ほぼ倍の日数がかかったことになります。
一番果が、ナメクジに食べられた時は、がっかりしましたが、無事に、二番果を初収穫できて、嬉しかったです。
ナスの味噌汁にして食べたんですが、超やわらかナスという品種だけあって、ほかのナスより皮が柔らかいような気がしました。